Column コラム
全てが整う空間
天井には桧の羽目板を張り、木目の連なりが空間に穏やかな律を生み出しています。床の間には杉を用い、簡素でありながら、中心となる力を持たせました。
壁に描いたのは、寺院建築にも見られるやわらかな曲線です。古来、人が祈り、心を鎮めるためにつくられてきた場所には、直線だけでは得られない包容があります。
その感覚を住まいの中へ取り入れ、ここに身を置くだけで、心の騒がしさがほどけていくような場所を目指しました。障子には吉野杉を使用。
杉の繊細な木肌を通して届く光が、桧や杉の表情と重なり合います。華美に飾るのではなく、木、光、曲線、その一つひとつを吟味することで、心を休ませる余白をつくっています。