Column コラム
受け継がれる大黒柱
家の裏で長い年月をかけて育ち、ずっとこの家を見守ってきた一本の桧。大きく育ったことで建物へ掛かるようになり、伐採することになりましたが、その木をただ処分してしまうのではなく、この家の中で再び生かすことを考えました。
既存の柱にはシロアリによる傷みもあり、構造を補うため新たな柱を設置。その中でも家の中心となる最も大きな大黒柱に、この桧を用いています。
伐ったばかりの桧は、まだ多くの水分を含んだ生木です。急激な乾燥による割れや傷みを抑えながら、ゆっくりと馴染んでいくよう柱には麻を巻きました。
古くから清浄を象徴する素材として用いられてきた麻。玄関を入ると最初に目に入る一本の柱が、これまで家を外から見守ってきた木から、今度は家の内側で暮らしを支える木へと役目を変えています。